みなさん、こんにちは!若宮です。
今回は観賞魚の飼育水の作り方や水道水との違い、水温やpHについて解説していきます!
アクアリウムを始めてみたいけど、飼育水はどうやったら作れるのか分からない初心者の方必見です。
魚たちにとって水は人間の空気のように切り離せない関係です。
正しい飼育水を使って魚たちに良い環境を作ってあげましょう!
飼育水は水道水とどう違う?
始めに水道水をそのまま魚たちの飼育に使って良いかどうかお話しします。
結論は使ってはいけません。
水道水には人が安全に使うことができるようにカルキという塩素(正式名称は次亜塩素酸カルシウム)が入っています。
このカルキがあるため、私たちは水道の水をそのまま飲むことができるのです。
しかしこのカルキは水の中で暮らす魚たちにとって有害なものです。
水道水を飼育水として使うためにはこのカルキを抜いて使う必要があるのです。
ではどうやってカルキを抜いたら良いのかというと、大きく分けて二通りの方法があります。
- 日光に当てる
- カルキ抜き(中和剤)を使う
日光に当てる方法は水を張った容器を約24時間屋外など日光の当たる場所に放置する方法です。
日光の当たる場所に置くことでカルキが自然に空気中に出て行きます。
24時間というのはあくまで目安なので、日の当たる時間の長い夏場はそれより早くなりますし、冬場はもう少し時間がかかる場合もあるのでご了承くださいね。
2つ目のカルキ抜き(中和剤)を使う方法は市販されているカルキ抜きを水道水に規定量入れてカルキを中和する方法です。
カルキ抜きは固形のもの(一般的にハイポと呼ばれている)と液体のものがあります。
固形のものは非常に安価に手に入れることができますが、形などによって多少のばらつきが出てしまうことや溶けるまで時間がかかるデメリットがあります。
液体のものは規定量がわかりやすくカルキを確実に中和することができます。
ものによってはビタミンや粘膜保護剤などがはいっているものもあります。
しかし、入れすぎると魚にとって良くないので注意が必要です。
他にも水道水を煮沸させる方法もありますが、水温調整が難しいことや雑菌が繁殖しやすく水が傷みやすいのでオススメはしていません。
私のオススメは1日ほど屋外で放置する方法か液体中和剤でカルキを抜く方法です!
屋外に水を置いておくだけで良いので楽ですし、液体中和剤を混ぜることで水道水をすぐ使うことができるので時短になりますよ!
水温管理は必要?
次に飼育水の水温についてお話しします。
もちろん魚にとって水温はかなり重要です。
魚の種類によって適温は変わってきますが、メダカと金魚は15~28℃、熱帯魚だと22~28℃、海水魚だと23~26℃位を目安に考えて下さい。
もちろん魚種毎に過ごしやすい水温は変わってくるので、飼育する前に調べたり購入先の詳しい人に聞いてみると良いでしょう。
水を水槽に入れる前に、カルキ抜きした水を水温計で測定して適温の範囲内か確認する癖をつけるようにしましょう。
特に水換えをするとき、水温差があると魚にとってストレスになってしまいますので注意してください。
もし水温が低い場合は水中ヒーターを水槽や容器に取り付けるようにしましょう。
サーモがついているものなら設定温度になるとヒーターが自動で止まるようになっているので、オススメです。
逆に水温が高い場合は日があまり当たらないところに場所を移すか、水槽用のファン、チラーを取り付けましょう。
メダカや金魚を屋外で飼育する場合はすだれやよしずをつかって直射日光を遮るようにしましょう。
ファンを取り付ける場合は水が飛んでしまいやすくなるので、水位を確認して水が減ってないか確認しましょう。
室内の水槽で高温になることはあまり無いとは思いますが、このような方法があることを知っておくと良いでしょう。
水質で気にかけるポイント
次に水質で気にかけるポイントについてお話しします!
少し中級者向けですが、アクアリウムをやっている人は水温の他にも以下のことを気にかける必要があります。
- pH(ペーハー)
- 硬度(TDS)
順番に解説していきます。
pH(ペーハー)
まずpH(ペーハー)ですが、みなさんご存知の通り水素イオン濃度を数値化し0~14で表したものです。
7を中性としてそれ以下を酸性、それ以上をアルカリ性と言います。
pHも魚ごとに適した範囲があります。
たとえばメダカならpH6.5~7.5くらいが良いとされており、水草はCO2の添加が必要なものは賛成よりの方が良いとされています。
他にもアマゾン川由来の熱帯魚は酸性の水を好み、一方アフリカンシクリッドの仲間はアルカリ性を好みます。
硬度(TDS)
次に硬度(TDS)です。
硬度とはカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分をどれだけ含んでいるかの指標のことです。
多く含んでいる水を硬水、少ないものを軟水と言います。
TDSとはTotal Dissolved Solidsの頭文字を取ったもので水の中にどれだけ不純物が含まれているかを示した値のことです。
TDSが高いほど硬水、低ければ軟水と言うことになります。
TDSが~160までなら飲むことができるという指標になっています。
なかには硬水を好む熱帯魚がいたり、水草などはTDSが70付近がよいなどの条件があります。
またTDSが高いと不純物が多いのでコケが生えやすくなるなどの影響もあります。
ミネラルウォーターは飼育水で使える?
ミネラルウォーターは飼育水として使えないの?と疑問に思う方もいることでしょう。
結論から申し上げると、使えないことはないでしょう。
注意点としては外国のものだと硬度が高いものがあることと、水道の水よりもコストがかかることです。
水が減ってしまった分、少しだけ足すくらいなら問題は無いでしょう。
個人的にはミネラルウォーターは自分が飲むようでしか買いませんが笑。
水質を調整・確認するグッズ
次に水質を確認したいとき、また水質を改善したいときに使えるグッズを紹介します!
水質を確認するものにはデジタルのタイプと試薬・試験紙タイプがあります。
デジタルのものは数値で確認でき、頻繁に水質を確認したい方にオススメです。
pHやTDSをはかるものなどがありますが、機器のメンテナンスが必要であったり何度も使っていると徐々に精度が落ちてくることがあります。
試薬や試験紙のタイプは一度に複数の項目をチェックでき、どのペットショップやホームセンターに置いてあることが多いでしょう。
しかし色で識別するものが多いので性格にはかることができない点や一度しか使えないこと、しばらく使わないと正確な結果を得られなくなってしまうなどのデメリットもあります。
水槽の立ち上げ時などは試薬・試験紙タイプを用いて、pHや硬度の調整が必要な種類のっさかなや水草の導入時にデジタル対応を導入することをオススメします。
次に水質を調整するグッズについて解説します。
上記で説明したカルキ抜きの他にも水質調整として使えるものとして、バクテリア剤・pH調整剤・粘膜保護剤・ビタミン剤があります。
バクテリア剤はフィルターなどにバクテリアを定着させ、ろ過性能を高めるために用いられます。
なので基本的には水槽の立ち上げ時や水換えした後などに使うことが多いです。
pH調整剤はその名の通りpHを下げるものや上げるものがあります。
しかしpH調整剤の効能はすぐ消えてしまうことが多い印象です。
なので水換え後などに使うのがよいでしょう。
粘膜保護剤やビタミン剤は簡単に言えば魚たちの健康維持のために使うものです。
粘膜保護剤は魚たちの粘膜に近い成分のものが入っており、ちょっとした外傷から体を保護する役割を助けたり、魚たちが病原菌からの感染を防ぐのを助ける効能があります。
ビタミン剤は魚たちの繁殖力や病気に対する耐性や抵抗力、また稚魚の成長を助ける役割があります。
魚たちを丈夫に育てたい方はビタミン剤を使ってみても良いでしょう。
中には魚種によってそれぞれの種用に作られた水質調整剤やカルキ抜きが売られているのでドレを買ったら良いか分からない方は試してみる価値はあると思います。
どの調整剤にもいえることですが、必ず規定量を入れるようにしましょう。
入れすぎてしまうと、例えば粘膜保護剤には防腐剤が含まれているものがあるため、バクテリアに影響が出てしまう可能性があります。
他にもビタミン剤を入れすぎてしまうと、水が富栄養化してしまいコケが繁茂してしまいますので注意が必要です。
飼育水の他の使い道
最後に飼育水の他の用途について解説します。
フィルターのろ材や底床剤を洗うときには飼育水を使うようにしましょう。
ろ材や底床剤にはバクテリアが定着しています。
これをカルキの入った水道水で洗ってしまうと、そのバクテリアが死滅してろ過性能が落ちてしまいます。
砂利などの底床剤にもバクテリアが付いていることが多いので、なるべく飼育水で洗うようにしましょう。
他にはグリーンウォーターを作りたいときにも飼育水を使うことができます。
飼育水に含まれる餌の食べ残しや糞がグリーンウォーターのもとである植物プランクトンの増殖に必要な栄養になります。
詳しくはこちらをご覧ください↓
他にも塩浴や薬浴時に他の容器に移すときに飼育水があると便利でしょう。
まとめ 飼育水はすべての土台
飼育水の作り方から水質について解説してきました。
魚たちにとっての水は私たちにとって空気のように切り離せない存在です。
魚たちが暮らしやすい環境を作るためにもこれらのことを理解してから飼育を始めることをオススメします。
是非参考にしてみてください。